仙台の歴史を知る。榴ケ岡公園内「仙台市歴史民俗資料館」

今年の夏は、これまでにない厳しい暑さが続いていますね。
そんな時は、冷房のきいた館内で涼みながら、仙台の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。
今回は、「仙台市歴史民俗資料館(以下、資料館)」をご紹介します!

県内最古の洋風建築物

「仙台市歴史民俗資料館」は、JR榴ケ岡駅から徒歩約7分、榴ケ岡公園の芝生広場の東端にあります。

白い特徴的な建物なので、遠くから見てもすぐにわかると思います。

この建物は、明治7年竣工の陸軍歩兵第四連隊の兵舎を改築したもので、宮城県内に現存する最古の洋風木造建築物です。
仙台市の有形文化財にも指定されています。

仙台市歴史民俗資料館とは?

資料館は1979年11月に開館し、今年で46年目を迎えます。

主に明治以降の庶民の暮らしを分かりやすく紹介し、農業・職人の道具・玩具・日用雑貨・四連隊関連資料などの約2000点を展示しています。

見学料金は、個人の場合、 一般・大学生240円、高校生180円、小中学生120円です。

常設展示は、3つのテーマ

常設展示は大きく3つのテーマに分かれています。
「仙台地方の農具と農家のくらし」、「仙台町場のくらし」、そして「旧歩兵第四連隊関連」です。
常設展示の中には、実際に手に取って自由に見ることのできる資料や写真もあり、来館者がより身近に歴史を感じられる工夫がされています。
ファイルにまとめられた資料をめくりながら、自分のペースでじっくりと読むことができ、充実した時間を過ごすことができます。

「仙台地方の農具と農家のくらし」では、近郊農村で実際に使われてきた農具や、米作りの過程を紹介しています。
実物の道具を目にすることができる、貴重な展示です。

「仙台町場のくらし」では、職人が用いた道具や伝統工芸品が並び、仙台の駄菓子屋「一銭店屋」展示は人気のコーナーだそうです。

また、資料館の建物が兵舎だったため、軍事資料とあわせ、戦争と庶民のかかわりを示すさまざまな戦時関連資料が紹介されています。
平和な時代に生きる私たちだからこそ、一度は見ておきたい展示だと感じました。

お子様が楽しめるコーナーも!

体験学習室には、自主制作ビデオが観賞できるほか、折り紙や双六、チャカポコ、けん玉など、さまざまなおもちゃ遊びを体験できるコーナーもあります。

また、入り口に置かれた「来館記念スタンプ」も人気のようで、多くのお子さんがうれしそうに押していました。
私も来館の記念にと、子どもたちに混ざりスタンプを押してきました。ちょっとうれしい体験でした。

さらにこの時は、「夏のクイズラリー2005」も行われており、用紙を手にして館内を回りながら答えを探す小学生の姿も見られました。
全問正解者にはプレゼントがもらえるそうです。
とても楽しそうな催しですね!

訪れるたびに新しい発見

資料館では、さまざまな特別展が開催されており、訪れるたびに新しい発見があります。
これまでにも「七夕と盆」や「仙台の正月」、「仙台駄菓子と石橋屋」など、地域の文化に根ざした展示が行われてきました。

特別展が開催される際は、公式ウエブサイトの他、JRや地下鉄の駅構内、商店街、公共施設など、さまざまな場所にポスターが貼られますので、注目してみてください。

今回訪れた際には、特別展「昭和の仙台~戦争と平和・人々のくらし~」が開催されていました。
今年は、昭和元年(1926年)から100年、そして第二次世界大戦の終戦から80年という節目の年です。
昭和という時代の中で移り変わった仙台の町並みや人々の暮らしが紹介されており、とても興味深い展示でした。

特に印象的だったのは、昭和10年に撮影された「藤崎」の写真です。
藤崎が仙台で最も古い百貨店であることは知っていましたが、実際に当時の写真を見ることで、その長い歴史を改めて実感しました。
写真に映る昔の街並みには現在の藤崎周辺の面影もあり、過去と現在がつながっているようで、仙台の歴史をより身近に感じることができました。

仙台の歴史と人々の暮らしを楽しく深く知ることができる「仙台市歴史民俗資料館」に、ぜひ足を運んでみてください。

仙台市歴史民俗資料館
住所:宮城県仙台市宮城野区五輪1丁目3-7
アクセス:JR仙石線「榴ヶ岡駅」から徒歩約7分
TEL:022-295-3956
開館時間:9:00-16:45(入館は16:15まで)
休館日:毎週月曜日(休日を除く)、休日の翌日、第4木曜日(12月を除く)、年末年始(12月28日~1月4日)、くん蒸にともなう臨時休館日
駐車場:無し

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。